スピンドル修理

弊社オリジナルスのスピンドルについて、定期的な修理のご依頼を受けられますように、その作業手順や弊社が重要としているポイントについて、ご説明させていただきます。
なお、この作業手順は、長い間、山田工機で受け継がれ、その卓越した技法を入野機工でも忠実に引き継いでおりますので、ご安心下さい。

作業手順-1 受け入れ時のスピンドルの状況確認

① 軸受の回転状況を確認し、おおよその軸受の損傷を確認します
② 軸内径部(MTテーパ)の状況に特に注意します
→ この時点で回転軸の再使用の可否をおおよそ判断します
③ スピンドル本体の取り付け面の状況を確認します
→ この取り付け面の状況が、実研削時の精度に影響します

作業手順-2 スピンドルの分解

① スピンドルを構成している部品(回転軸、軸受用スペーサー)に損傷与えることなく、慎重に分解していきます
② 軸受の損傷の確認とその原因を分析します
(ア) フレーキングの有無 → 組み込み不良、軸のたわみ、心出し不良、ハウジングの精度不良を疑います
(イ) かじりの有無 → 潤滑不良、異物侵入、さびによる原因を疑います
(ウ) 破損 → 異常荷重、及び、潤滑不良を疑います
(エ) 圧痕 → 金属粉等の異物の侵入を疑います
(オ) 異常摩耗 → 輸送中の小さな揺動を疑います
*軸受の状態や損傷の確認を丁寧に行い、おおよその原因を判断し、再組立の措置について、対策を練ります。

作業手順-3 スピンドルの再生、組み立て

① 軸受の洗浄を丁寧に行い、軸受内部の防錆油、及び、コンタミの除去をします
② ゆっくり手動で廻して、回転振動が全く手に伝わらない状態まで洗浄作業します
③ 最適な量のグリースを封入します(このグリース量の調整が、軸受の寿命に大きく影響します)
*組み立て方法において「いかに軸受にストレスを与えずに行うことができるか」という点を重く捉えております。そして、このポイントが弊社のスピンドルの耐用年数の長さに繋がると考えております。

作業手順-4 回転運転による確認

① 軸受の持っている本来の特性を引き出す回転運転を行います
② 回転運転中、以下の項目について確認します
(ア) 温度の上昇の確認
(イ) 加速度センサーによる軸受の内外輪、転動体、及び、保持器の周波数について、継続したリアルタイム内において分析監視
(ウ) スピンドルの安定飽和状態の確認

作業手順-5 精度の確認

軸受回転部の振れ精度の確認を2度、スピンドル組み立終了時と回転運転の確認後に行っております

作業手順-6 ご返却の準備

スピンドルの返却時に、その修理の内容について、レポートを添付させていただきます

弊社のスピンドルや軸受に関しまして、ご不明な点やご質問がございましたら、弊社の製造部、スピンドル部門の技術担当まで、ぜひ、お問合せ下さい。


その他修繕

弊社では、ドレッサー、フィードハンドルなどの修理も受け付けております。弊社の機械の故障・トラブルの際は、お気軽にお問い合わせください。

ドレッサー